2012/05/01

プレイケストーレンに登ってきました

先週は、オスロの北にあるオース(Ås)の大学でリサーチフェローをしている若い日本人の研究者の人が来ていました。セミナーで発表してくれるようにお願いしてきてもらったのですが、個人的にも知り合いなので、セミナーが終わったあともそのまま残ってもらったのです。彼と始めて会ったのはコロラドにいた頃です。私たちはコロラド州立大学に勤めていたのですが、同じくコロラドにある、コロラド大学でポスドクをしていたのが彼です。環境経済学者、ということで、分野も重なるし、また、夫の研究分野と同じなので、コロラドでも何度か会ったのですが、その後学会で会ったとき、ノルウェーの大学で働くことになった、ときいたのが、もう二年ほど前でしょうか。その後、何度もスタヴァンゲルに招待しようとしたのですが、「なぜ明日できることを今日する必要があるのか?」となんでも先送りにする習性のある夫に任せていたため、全く進展がないので、とうとう私がイニシアティブを取り、今回の招待に至ったわけです。

最初にスタヴァンゲルにおいでよ、と招待した頃から彼が行ってみたいと言っていたのがプレイケストーレン。リーセフィヨルドから600メートルほど垂直に上がった崖です。その崖の上が平らになっていて、その姿が司祭が説教する台のようだ、と、「Pulpit Rock」の英語名がついています。スタヴァンゲルエリアでは、一番の観光名所です。もちろん、そのまま崖を登ることはできないのですが、後ろから回っててっぺんに行くことはできます。一応目安は片道2時間のハイク、ということになっていますが、普通の人は1時間半くらいで登れるようです。一週間前に夫がアメリカ人の同僚を連れて行ったときは、まだ雪が少し残っているものの、問題なし、ということで、土曜日に彼とふたりで行く予定になっていました。しかし、そこはノルウェーのこと。どんな天気になるかわかりません。一応天気の様子を見て、あまり激しい雨などだったら中止にしよう、と思っていたのですが、当日はなんと、ぴっかりいい天気!暑くも無く、まさにハイキング日和です。

私はプレイケストーレンに登るのはこれで二度目になります。始めて登ったのは、まだノルウェーに引っ越す前。もう、7年も前になるのでしょうか。そのときは登り切ったものの、けっこうキツかったのを覚えています。また、一緒に行った夫(当時の彼氏)のお母様はすいすい登っていて、さすがノルウェーの人は足腰が強いなあ、と感心したのを覚えています。

夫は娘達を連れて映画を見に行くと言うので、彼らを中心街で降ろし、日本人ふたりはフェリーに乗ってプレイケストーレンの入り口に向かいました。入り口の駐車場に車を止めて、いざ!でも、駐車場の時点ですでに素晴らしい景色。もうこれで満足して帰ろうか、なんていう話も出ましたが、がんばって頂上を目指します。

登り口。この時点ですでにそれなりの高さです。
2+2t とは、目安として行きに2時間、帰りに2時間みよ、ということ。


登り始めてすぐ、けっこうキツイ登りですが、その部分を登りきったら、すでにけっこうな高さ。この調子なら余裕かもよ、なんて言っていたら、その先に、またさらにすごい登りが。でも見た目ほどは大変でなく、わりとすいすい登れました。「優子さん、思ったより速いね」とのコメントは、喜んでいいのかちょっと微妙。

この岩を登っていきます
その後さらに一時間ほどハイクして、ここ落ちたら確実に死ぬ、という斜面を渡り、とうとうてっぺんに着きました!お天気がよかったので、フィヨルドの下までよく見えて、眺めはサイコーです。ひとしきり写真などを撮り、持参したサンドイッチを食べて、私たちは岐路につきました。登るときにけっこう大変だった岩など、降りるのも時間がかかるかと思いきや、すいすいで降りてこられました。

てっぺんはこんな。
遠くの方までよく見えました
ハイキング・登山が好きな彼は大変満足そうで、連れて来た私も嬉しかったです。彼曰く、ベルゲンなど、他の場所のフィヨルドツアーは、基本的に座っていることが多く(フェリー、バス、汽車など)、またほとんどフィヨルドの下から上を見上げるものだそうで、こうやって自分の足で登って上からの景色を見られるのは、また違った楽しみだと言っていました。

また、プレイケストーレンへのハイクは丁度よい難易度だと思います。「散歩」とは確実に異なる厳しさで、確かに小さい子供にはムリですが、普通の大人なら少しくらい時間がかかっても登り切ることが可能だと思います。途中子供たち(6歳以上くらいでしょうか)も沢山見かけました。これなら、うちの上の娘も登れるかもしれません。小さい子供を背負って登るお父さん、お母さんもたくさん見かけました。ただ、岩場が多いので、底のしっかりした靴は必要だと思います。始めて登ったとき、ハイヒールで登っている女の人がいて、かなり苦労してる様子でした。

スタヴァンゲルからフェリーに乗り、上り口まで車で移動、ハイクには往復3,4時間、となると一日がかりのハイクですが、まだやってない方にはお勧めです。苦労して登ったフィヨルドの眺めはまた格別ですよ。

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